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八重の思いー私を愛した2人の彼氏
第11章 忍び寄る過去の影-千弥の決断

季節は移り変わり秋も深まる頃、私は今陸さんと組んで仕事をしている。
そう、二人が私を変えてくれたお陰でで、漸くマーケティングから離れる決意が出来、企画書を何度も課長に提出した結果、空間そのものを手掛ける陸さんのインテリアコーディネーターとして、一緒に行動するようになったわけ。

「三苑さん、来週着工分のインテリア配置出来た?」
「出来てますよ小野寺さん。発注元は暖色系に統一したいと言っていたので、ヨーロッパの家具を取り入れて見ました」
「今回インテリア費用に余裕があるから、海外製でもいけるかぁ」
「少しだけレトロ感を出すには、ヨーロッパの家具は丁度いいんです」
「元々シンプルモダンなデザインだから、そこは僕も納得。後決めるのは小物系と、発注元に言われている絵画数点」
「んー絵画は範疇外なのでどうしましょう?」

発注者って、コーディネーターと聞くと全て出来ると思っているのよね。でも私と陸さんが守備範囲が違うように、コーディネーターでも細部に分かれているの。そして絵画みたいな物は揃って範疇外なのよ。

「そっちは竹田が一番詳しかったかな?」
「竹田さん? あぁ! 絵と楽曲が得意じゃありませんでした?」
「そうそう、主に音楽系担当だけど絵も詳しいってやつ。この手は芸術感性だし」
「後で聞いて見る?」
「それが一番早いよ三苑さん」

竹田さんに話すのは、物凄く久し振りのような気がする。同期入社だから、新人研修も一緒だったんだけど、この特殊性からか早くに仕事を任されるようになり、私とは接点が少なかった。

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