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八重の思いー私を愛した2人の彼氏
第11章 忍び寄る過去の影-千弥の決断
迷っていても仕事が進むわけではないので、思いきって武田さんに声を掛けようと思う。だってインテリアは私の担当だから。
「た、武田さん?」
「三苑さん? 珍しいな、俺になにか用?」
「仕事の話なんですけど、お時間大丈夫ですか?」
うん、話掛けられたよ。
最近はなんとか人付き合いもマシになった感じ。これも二人に感謝だよね。
「……なるほど、絵画数点を店内に飾るか」
「はい。イメージは資料通りですが、絵画は流石に分からないので、小野寺さんが武田さんに聞いてみようと……」
「まぁ、合ってはいるな。このイメージからすれば、古い物より近大絵画、それもシンプルな抽象画か風景画が似合いそうだ」
そう言った武田さんは、自分のデスクをゴソゴソ漁って、数冊の本を私に渡してくれた。
「金額的な折り合いもあるだろうから、手頃なサンプルにしてみたが、その中からイメージに合いそうな物を選べば大丈夫だと思うぞ?」
「ありがとうございます、参考にさせて頂きますね」
良かった、これを見て先に私と陸さんで候補を作り、クライアントに見せ選んで貰えばなんとかなりそう。
……と、安心していたけれど。
「時に三苑さん、小野寺と上手くいってるのか?」
「…………はいっ!?」
「付き合ってんだろ、それにもう一人居ると小野寺から聞いた」
「それは……」
陸さん、蓮さんのことを武田さんに話していたんだ。
これって、どう答えればいいのかな?