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八重の思いー私を愛した2人の彼氏
第14章 3人でなければ駄目

退職してすぐに再就職って話はね、あの後本当に陸さんが文句を言い、年明け2月から、蓮さんの事務所で働くことになったの。私でも分かるよ、このシーズンでは陸さんが手掛けるような仕事が少ないこと、だから私はなにも言わなかった。その間は宣言通りにゲーム三昧をやるんだって。

私と蓮さんはコンスタントに仕事があり、私は事務所で先に予定とコンセプトを見せて貰い、蓮さんが現場に行くまでに食器や小物を完璧にコーディネートする。そしてやたらと購入するのは止め、レンタルで対応出来る時は前もってレンタルすることに決め、蓮さんの個人事務所は見事に収益アップし、入って来る仕事も沢山増えたの。
いいことずくめって、こういうことを言うと思う。

「……え? もうバレンタイン用の撮影なの」
「年末からやらないと間に合わないからね、毎年このシーズンに、雑誌関連は春近くまでの撮影があるんだよ」
「あらら大変。……じゃなくて、今から良い物を押さえられるかな?」

慌ててネットを開き、良さげなレンタル品を眺め出す。こういう会社はかなり多いから、見ているだけでも半日はかかっちゃう。

「とりあえず、各撮影のコンセプトを教えて」
「来年の予想としては、砂糖代替品とか海外食が人気になると予想しているね。だからバレンタインということで、チーズケーキや……そうだね、肉料理だけど野菜多めレシピ、海外ということで台湾系も入れて見ようかな?」
「う~ん台湾台湾……」

私の仕事はこんな感じ。予測でレンタル発注し、蓮さんが考えるレシピに合わせるのよ。

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