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八重の思いー私を愛した2人の彼氏
第4章 千弥と蓮

「みんな三苑さんに押し付ければ、やってくれると思ってる。そんなに便利にやらないで、企画書でも提出してみれば?」
「……と、言われても、私はこれが普通だから」
「だ か ら 、YESもほどほどにしないと……。僕は三苑さんと組んでやりたいのにな」
陸さんも、蓮さんと同じことを言うの? 私は……すぐには決められない、決める自信がない。心弱いと思われても、同居みたいに簡単には決めれる問題じゃないでしょう。
「どう……なんだろうね」
「そんなこと言わないで三苑さん」
「尾上さんにも言われたの、一緒にやらないかって……」
「……っ! 尾上さんも? だとしたら実力は十分あるってことだよ。外じゃなく、まずは僕と一緒にやろうよ!」
「……考えておくから」
どうしても頷けない。急に私、私と言われても、私の心のほうが追い付いていかないのよ。今までがこうだったから、それも凄く影響していると思う。
陸さんから逃げるようにデスクに戻り、先程の修正作業に入る私。ボーっとしていたからって、こんな凡ミスなど普通はしない。それだけ私が集中力散漫だってこと。……だからかな、こんなに自信がないのは?
(ちょっと落ち込みそう)
一度入力を全てリセットし、また1からやり直し。まだ作っている最中だったからリカバリー出来るけど、もしこれが外に出た後だったらと考えると……ね。あり得ない統計は、会社の信用に関わる、それくらいの自覚はあるつもり。……だから落ち込むの。

