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第2章 始まりは桜の下で……

小野寺さんが、明るい茶髪でちょっと可愛い感じに対し、尾上さんは黒までいかない茶髪を少し上げた格好いいタイプ。
身長は尾上さんの方が高いかな？　でも二人供１７０センチは余裕で超えているよ？　ギリギリ１６０センチあるかないかの私にすれば、少し見上げなければならないのが痛くない？

私は明るめの茶髪を下ろし、背中の中心より少し短めの髪、社会人だから濃すぎないような化粧をして、比較的明るめのスーツ姿。
この会社は、節度があれば服装は自由。でも、外回りもあるからスーツ選択なだけ……小野寺さんも同じ。

（私は昨日上がって来た、マーケティング集計かな？）

書式形式で来るマーケティング結果を、グラフに直すのも私の仕事のうち。
でもね、１つ１つ違う結果が楽しいと思う。
店舗も業種も違う店たち、その空間作りが好評かどうか見るのって、凄くワクワクする。……実際の私が見ているのは、紙に纏められた集計結果だよ、それでも夢はあると思う。

「……この間の居酒屋さん」

今日のは、前月うちの会社がデザインした居酒屋さん。これでもこの会社は、空間デザインに一定の評価は得ているから、発注も多くて統計を出すのが凄く楽なの。

（そこそこに好評、でも隙間の使い方に不評数字が出てる）

あの場所は、どんなデザインだったかなと、考えるのが好き。手掛けたデザインはしっかり頭の中に入っているから、想像するのが楽しい。良くても悪くても想像出来るのが、私の良いところだと思ってる。