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八重の思いー私を愛した2人の彼氏
第2章 始まりは桜の下で……

本当は私だって、空間コーディネートしたい。今はコーディネートした先の小物類を軽く携わっているだけ、小野寺さんの方が私の先を行っている。

(まだまだなのかな私?)

美大卒業後この会社に入社して、インテリアコーディネーターと、カラーコーディネーターの資格は取った。今のところ、あまり役には立っていないけど。
だけど憧れなの空間を演出することが、私が考え食器の1つまで選び統一性を持たせるなんて素敵じゃない? ……現実はそこまで甘くないけどね。

「……あ、10時……」

小休憩はしっかりと取ること、これは会社の方針。
私は個人スペースから立ち上がり、休憩スペースで今や全て自動になったコーヒーを淹れて飲む。

「……休憩?」
「小野寺さんも?」
「15分休みを入れないと、怒られるでしょ」
「変更プラン出来たの?」
「バッチリ! 今日こそは頷かせるんだ」
「ふふ、凄い意気込み」

コーヒーを一口、これがまた美味しいの。フルオートのコーヒーメーカー侮りがたし。

「あのさ、話は変わるんだけど三苑さん……」
「なに?」
「仕事が終わる夕方、少しだけ時間を取れない?」
「うーん、明るいうちに帰りたいかな?」

夕方の桜を見るのが、また綺麗だから……。

「場所は三苑さんの好きな場所でいい、そこまで時間を取らせない。……だからダメ?」
「そこまで言うから……。この近くの川にある公園で良い?」
「勿論! 絶対だよ三苑さん」

あまり時間は掛からないのに、わざわざ外に呼び出し? 社内で済みそうなのに変だよね?

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