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八重の思いー私を愛した2人の彼氏
第6章 千弥と陸
気を付けても、どうにもならない時はある。それは勿論理解してるよ、でもね出来るだけ危機回避はしたほうが良くない?
相変わらずな理由だって、自分でも分かってる。三人で生活しているんだから、しっかりと向き合わなくてはいけないことも。
それでもギリギリまでは秘密にしたい、知られたくない、そっとしておいて欲しい。これが私の本音。
洗濯も終わり、陽射し豊かなベランダに干してから、私は外出するために着替えてリビングに出た。
リビングには誰も居ない、キッチンを使った様子もない。陸さんは? 私と同じく休日なんだから、陸さんは居るはずでしょう?
「どう……うんん、徹夜でゲームをして寝ているのかな?」
陸さんはあり得る。休日前は絶対にゲームだもん。寝るのは朝、起きるのは夕方、これも普通感覚になってきたよ。
寝てるであろう陸さんを起こさないように、そっと玄関まで行き音を立てないように扉を閉めて外へと出た。
「うーん、気持ち良いー!」
マンションの前で大きく背伸び、こうして休日を楽しむのはいつ振りだろう?
ここに引っ越して暫くは、足りない物の購入だけで休日が潰れていたの。だから本当に久し振りの自由な時間。
「都心方向? ……良い感じの店は……」
歩く前にスマホで店情報を確認。バスを使って行ける範囲で私が好みそうなアパレルショップ、デパートでも良いかな?
「あ、このデパートに、私の好きなブランドが店舗として入ってる。朝食……うんん、昼食もかねてここにしちゃおう」