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八重の思いー私を愛した2人の彼氏
第6章 千弥と陸
魚を焼いている内にご飯を解凍、鍋で出汁を作り、ほうじ茶も用意。出汁だけにするか、ほうじ茶を淹れるのかはお好み。最期にワサビと海苔を添えて、夜食の出汁茶漬けの出来上がり。
「うわー美味しそう、いただきまーす!」
「あ、熱いよ陸さん?」
「うっ……火傷する……」
「……くすっ」
「あ、千弥が笑った。どう、落ち着いた?」
「……うん。ありがとう陸さん」
陸さんって、無意識の癒し効果があるみたい。行動や言葉に知らず巻き込まれて、気付けは普通に戻っている私。……気付いてくれてありがとう陸さん。ああして抱き締めてくれなければ、私はまだ混沌とした暗闇から抜け出すことが出来なかったと思う。凄いね、陸さんの力は。
「それにしても……熱っ」
「加熱し過ぎたかも……」
「冷まして食べるけどさ」
「私も同じ」
レンゲにご飯を掬い、フーフー冷ましながら食べるのがまた面白い。熱い熱いと言いながらも、陸さんは残さず食べてくれた。
「んーお腹が膨れた。あ、千弥は後片付けお願い、僕は普通にお湯を張って来るから」
「うん、任せて?」
後片付けくらいはね、ちゃんと出来るよ。
陸さんはメインバスルームに行き、私は使った食器や鍋を洗うのが、丁度良い配分だと思う。ほら、普段は蓮さんが全てやってしまうから。
作りが良いのか、このマンションの風呂は溜まるのが早く、私が食器をしまう頃には、お風呂のお湯がしっかり張れている状態になる。色々と高性能だよねこれ。