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八重の思いー私を愛した2人の彼氏
第6章 千弥と陸
洗いにくいけど、バスタオルのままシャワーを使い、広すぎる風呂に浸かってみる。私が足を伸ばしても、寝てしまっても、まだ余裕がありそうな浴槽。
(部屋数も多く、他人数向けのバスルーム。どんなコンセプトで作ったんだろう?)
都会のセカンドハウス、そんな感じのマンション。本当は私なんかが住むことなんて出来ない、超豪華仕様。そう、私なんかが住むには適さない……んだよね……。
(あ……また私)
やっぱり一人になると……。暗い考えに走りそうになった時、陸さんが腰にタオルを巻いてバスルームに入って来た。
「…………」
「? どうしたの千弥?」
「そ、その、凄く鍛えているからビックリした」
「へ? ああ!
それなりに鍛えているんだ僕。アフターはゲームだけじゃないよ」
「そこまで言ってないけど……」
引き締まった筋肉、鍛えられた身体。こう穏やかな陸さんから考えられないような、筋肉質な身体なの。
普段の見た目は茶髪の爽やかなイケメン、脱いだら筋肉質な男性って誰が思う?
「風呂、もて余していない千弥?」
「ちょっと……。凄い広いね」
「僕は向かいだから、たまに使うよ。寝転がったりして寛いでる……って、よっと!」
「……わっ」
陸さんも浴槽に入って来て、私の隣で縁に手を掛けて寛いでるの。私はずっとそのまま、どうして良いのか分からない。男性と一緒にお風呂に入ったことなんて無いから、近寄って良いのか遠ざかって良いのかすら疑問。……バスルームに閉じ込められたことはあるけど。