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◇◆ 星降る夜の恋物語 ◆◇
第1章 innocent イノセント

─それにしても…
どうして俺みたいな真面目でごく一般的なサラリーマンが、あんな不埒な奴といまだに一緒に住んでいるのだろう。
それは今まで何百回も自問自答してきたことだが、未だに明確な結論を得ていない。
これはきっと善福寺永遠の謎に違いない。
何で”善福寺”かって言えば、単に俺らが棲息しているのがその辺りだから。
会社では内部監査室に所属し、一縷の隙も見逃さない厳しい観察眼に定評ある俺。
だが、同居人の選定には肝心の観察眼は開眼されなかったようだ。
と言うか、恋愛については相手に恵まれない星のもとに生まれたらしい。
昨年などは、ゴールイン間近だったフィアンセから一方的に別れを突きつけられた。
俺との考え方のずれについていけない…疲れた、って理由で。

