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◇◆ 星降る夜の恋物語 ◆◇
第1章 innocent イノセント

だが、俺はと言えば、今まで付き合ってきたのは女性のみ。男と恋愛感情に至った経験は全くない。
少なくとも自分にはそういう性癖は”無い”とそれまで断言していた。
この同居だって、奈美との破綻が無ければ有り得なかったもの。
恋人を失った喪失感を紛らわすための、単なる気まぐれに過ぎなかった。
ずっと、そう思い続けてきた。この間まで…
そう、この間あいつが”バイト仲間に押し倒されて無理矢理キスされた”なんて話を振ってくるまでは。
どうしてだか、俺はそのことで無性にイライラして2、3日とても機嫌が悪かった。
別に俺の恋人に手出されたわけでもないのに。
奴は単なる”同居人”。
まぁ、年下の友達でも有るけど。
(の割には酔った勢いで抱きしめたり、キスしたりしたことが有る…)
それは置いといて――
なのに、あいつにキスした相手にやたらと腹が立って、目の前に現れたら一発かましそうな勢いだった。

