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第1章 王からの書簡

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季節が一つ過ぎた頃、ダイ家はリノと呼ばれる娘を養女に迎えた。
「リノ・メイと申します」
美しいその娘の姿に、クガは見覚えがあった。
二年ほど前、深夜の王城で当時第二王子であったハクトが、王太子のハルマと会談に臨んだ際に、部下として連れてきた少年だ。
あの時より髪は伸び、年頃の娘の装いをしているが、目の前にいる少女は、間違いなくあの時の少年だ。
「君は…、キオか」
クガが訊ねると、リノは柔らかく口角を上げた。
「はい。あの頃は訳あってキオと名乗り、あのような出で立ちをしておりました」