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一秒に見えた世界
第14章 俺が一番
でも私はまだ不思議だった。優誠が女の人と付き合うのに本気かどうかが必要だとか、なんでわざわざそんな条件が必要なのかが私には理解が出来なかった。

意味がわからない私に良二さんが

『優誠の場合、そういう条件を付けないと関東の会長の娘みたいなのを次々と押し付けられるからな。』

と言って来た。

なるほど…、そういう事かぁ。

と私が思っていたら佐伯さんが露骨に嫌な顔をして

『あの関東女は本当に最悪だったぞ。見た目だけは確かにいいけど中身はプライドばかりの淫乱のガバガバ女だったからな。』

とか言い出した。それを聞いた私は一気にムンクの叫びモードになる。

あの時、あの綺麗な女の人を佐伯さんが送るとか言っていた。そのままこの綺麗な顔をした佐伯さんがあの綺麗な女の人をいただいちゃったんだとわかったらなんだか聞いちゃいけない話しを聞いてしまったという気持ちになって来た。

そんな私とは違い優誠は平然と

『大体、組長の娘で美人ならそんなもんだろ?周りは危ねぇ男ばかりで育ってるのに純粋で清楚に育てようなんて思うのに無理があんだよ。』

と佐伯さんに答えた。

ギャー!?

こんな話しには私はとてもじゃないけれどついていけない。子供だと言われようがなんだろうが、まだ私には男の人の本音の話しを聞く余裕なんか全くない。1人で赤くなって狼狽える私を見ながら良二さんが

『だからまだ学生の美奈ちゃんが可愛いってか?』

と言ってまた優誠をからかい始めた。完全に居直ってただの暴君と化していた優誠は

『俺の女だから手ぇ出したら殺すぞ。』

とまた怖い事を言って固まっている私の頭にキスをした。私はもう完全にプチパニックだ。結局いつものように私だけが優誠にジタバタとしていたら良二さんが

『んじゃ手は出さないから他の女を適当に回せよ。』

と言い出して私達はそのお寿司屋さんを出た。
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