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第19章 だって…忙しいんだもん

空は大変なオムライス作りをいっぱい頑張った。お昼も食べずに空は頑張ってくれた。なのに由良はまだ優誠に勝手なノルマを押し付けようとしている。里美の冗談の時みたいには私は全く笑えなかった。

優誠が少し眉をしかめてから

『ノルマが必要か？』

と私に聞いた。私ははっきりと

『要らない。』

と答えた。確かに売り上げの良いクラスは学校からは良い評価をもらえる。でも学祭は所詮はお遊びの評価だ。適当にやれば良いそのお遊びで空の頑張りを平気で無視をして優誠までを巻き込もうとしている由良が私は心底から嫌だった。

多分、私が初めて露骨に嫌な顔をしていたからだとは思う。優誠が私の腕をいきなり引っ張って椅子に座ったまま突然、いつも優誠の家でしているみたいに抱っこをした。

ほとんど一般のお客さんはいなかったけれどメイド役の子達が

『キャー！』

と黄色い悲鳴を上げた。私はさすがにこれは恥ずかしいからと慌てて逃げようとしたけれど優誠はいつものように

『そんな顔はするな。』

って私に言って私の身体をがっちりと掴んだ。私と同じように怒った顔をしていた空が由良に

『由良が勝手に決めたノルマなんだから由良がもっとお客さんを呼んでおいでよ。』

と冷たく言ってから佐伯さんの隣に座った。良二さんは相変わらずでニヤニヤとして笑っていた。優誠はだけは周りの反応にはお構い無しで私１人が優誠の上でジタバタとした。

由良は怒りに歪んだ顔をしていたけれどすぐに私達がいる席から離れた。

私は優誠に抱えられたまま

『学祭に相応しくないお客様って言われるよ。』

って叫んだ。優誠は

『理事は御剣の親父の友人だから大丈夫だろ？』

って言って笑った。だから私も連られて笑ってしまった。私が笑うとやっと優誠が私を離してくれた。

ただうちのクラスの女の子のほとんどに私は私の彼氏はこういう人だと晒した事になってしまった。

それでも空も良二さんも佐伯さんも笑っていたから

まぁ、いいや！

っていつもの適当になる私だった。