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小説よりスゴいこと
第2章 会社で……
身体の温度が、さっと下がった。
唯が一瞬固まったのに気づき、和希も唯の視線に目を向ける。
「坂上ちゃん」
和希の掠れた声が、薄暗いフロアに小さく響いた。
「あ、その、すみません、見るつもりは、なかったっていうか……」
二人の視線を浴びながら、愛はしどろもどろになりながらも弁解の言葉を探した。
「その、ちょっと自販機に用事があって、あの、今日残業で」
何を言っても、言い訳にしかならないことはわかっていた。
愛は自分自身で声の元を探し、二人をパーテーションの後ろから見ていたのだから。