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小説よりスゴいこと
第2章 会社で……
二人の後ろ姿を見ながら、愛はほお、と息を吐いた。
思わず、手をぎゅっと握りしめる。
どく、どく、と血が流れているのを感じた。
話してしまった、朝から、あの二人と。
椅子にどすりと腰を落とすと、パソコンのデスクににやけた顔の自分が写っていて、慌てて顔に力を入れる。
「やば……」
朝から幸先が良い。
名前まで呼ばれてしまった。
またにやけそうな頰を指で撫でながら、先ほどの会話とも呼べないようなやり取りを反芻していると、始業の音楽が流れ始めた。
平凡な1日は、二人のおかげでいつもより華やかにスタートした。