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一夜だけの恋人 〜妹の姫初め
第9章 エピローグ
「夏芽……?」
「はい……」
「知ってる、姫初め……?」
「知ってるよ。その年の最初にしたエッチのこと……でしょ?」
「一月に姫初めすると、いいことがあるらしいよ。お前も……?」
俺は意識して妹と距離をとる。少しづつ……。
「お兄ちゃん、ダメだよ。誘導尋問は……」
「ちぇっ」
「でもさ……、ありがとう……お兄ちゃん……」
腕を組んだ夏芽が俺の腕を引いて、夏芽が言った。夏芽の声が少しかすれる。また俺たちの間が狭まる。少し前まで愛していた胸の膨らみにふわっと俺の肘が触れる。
「いや、お前が幸せになってくれたら……なんて……」
「幸せになるよ。私……」
「おめでとう……」
俺の声もかすれていた。
夏芽が小さな手を出す。温かい手だ。俺たちは手を握りあった。
「はい、八洲(ヤシマ)夏芽さん、俺たちは恋人解消……な?」
「……うん……解消……」