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永遠に見えた世界
第9章 慣れてくれよ…
美奈に全てを話せばまた俺は美奈に捨てられるかもしれない。俺は美奈に話す時にはその覚悟が必要なんだと思った。

とりあえず美奈を連れてホテルの部屋を出た。ホテルのロビーには佐伯と松森が居たから

『出掛ける。』

とだけ言ってから俺の車に美奈を乗せて俺は車を出した。車が走り始めたら美奈が

『嘘!?』

と叫び出した。俺の車の後ろには佐伯達の乗った車が律儀について来ているからだ。

『俺の部屋以外は絶対について来るんだよ。』

そう言って俺はため息が出た。美奈はまたいつものようにぼんやりと窓の外を眺め出す。

俺が親父の事を説明する前にこの状況が嫌だから別れるとか美奈に言われたら最悪だな。

そんな事を俺が思っていたら美奈の手が突然俺の腕にに触れて来た。こんな風に美奈から俺に触れて来る事は滅多にない。俺は美奈の肩を引き寄せてから

『パンダでも見るか?』

と聞てみた。美奈が小さく頷いた。こんな状況でもこの俺になんとか慣れようとしている美奈だ。

白浜のサファリパークでパンダを見る美奈がはしゃいでいた。美奈は子供みたいに俺に笑いかけて来る。

だけど美奈は俺と歩いていても手すら握って来ないままだ。まるで俺とは友達といるという距離感を保つ美奈だった。美奈が暑そうだからと俺がソフトクリームを買ってやると園内のアナウンスでシャチのショーの案内をしていた。

そのアナウンスを聞いて初めて美奈が俺の手を引いた。美奈が俺に見せて来た初めての恋人の意思表示だった。だから俺は少しだけ安心をした。だけどシャチを見ている間の美奈は時々、俺達とは離れた場所に居る松森と佐伯を見ていた。

いつか…、いつかは美奈には本当の事を全てを話してやらなければ…。

そんな気持ちと話しをすれば美奈が俺から離れてしまうかもしれないという恐怖で俺はそこに立ち止まったままだった。

ただ今だけはもう少しだけこのままで美奈と居たいと思った。
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