この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
永遠に見えた世界
第11章 馬鹿女!!
この日は運悪くママの店に御剣の親父が来ていた。俺は最悪だと思った。ママは親父の女だから確かにこの店で会う率は高い。

だが普段は東京に住んでいる親父なのだからせいぜい月1回しかこの店には顔を出さない。

よりによってその月1回に出くわしたという訳だ。御剣の親父はもうご機嫌になっていて

『誠ちゃん、一緒に呑もうよ。』

と俺に言って来た。仕方がなく親父の隣に座った俺に親父は少し目を細めて興味深げに

『誠ちゃん、新しい女の子に入れ込んでいるって?』

と聞いて来る。御剣の親父は水原の親父みたいに単純には誤魔化せない。ダンディーなモデルのような顔の優男で一見頼りなくは見えるが実のところはこの人が一番の権力者だ。

『まだ、なんとも言えないですよ。普通の家庭の子だから水原の事なんかは理解が出来ていませんし。』

と俺は遠回しに御剣の親父に答えた。御剣の親父は穏やかな笑みを浮かべたまま

『大ちゃんの事なら僕が居るから大丈夫だよ。だから一度その子を僕には会わせなよ。』

と呑気に言って来た。大ちゃんとは水原の親父だ。極道者のトップを平気な顔で子供扱いをして大ちゃんと呼ぶのが御剣の親父という人だ。

それよりも御剣の親父だけに美奈を会わせたら親父は見境もなく美奈を口説くくせに…。

と俺は思ってしまう。

御剣の親父は出会った女は人妻以外の全てを口説くというクソ親父だ。俺と美奈がまだ中途半端な関係だとわかれば絶対に美奈を口説いてしまう男だ。

しかもこの親父にもし美奈がなびけば俺が未熟者だからと鼻で笑われて終わってしまう。だから俺は

『時期を見てから挨拶には連れて行きます。もし本気なら薫さんのところにまずは連れて行きます。』

と御剣の親父に言ってやる。薫さんとは親父の本妻の事だ。この権利者である親父の更に上の権力者が本妻である薫さんになっている。

親父は俺の言葉に嫌な顔をしてから

『誠ちゃんは僕に厳しいね。』

と甘えた顔して来た。

いい歳した親父に甘えられても俺は嬉しくねぇよ。

そう思ったから結局はまともに呑む気にならず俺は先に帰る事にする。佐伯や良二も親父がいるからと港街で呑み直すと言って店を出た。

結城に迎えに来させて俺だけが家に帰った。俺はただ疲れていた。美奈との関係がいつまでも中途半端だという焦りと疲れで何も考えたくなかった。
/111ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ