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記憶の彼方に眠る恋
第1章 プロローグ

「え?! 事故?!」
スマホを片手に通話しながら、紗友莉(さゆり)は大きな声をあげた。
7月半ばのよく晴れた夕方、紗友莉の何気ない平穏な日常は突如として打ち破られたのだ。
前日に梅雨明け宣言が出たということもあり、「明日の土曜は、友達と一緒に遠出してみようかな」という、ウキウキした気分で紗友莉は過ごしていたのだったが。
高校以来の大親友である、西植美香(にしうえ・みか)から、その衝撃的な一方を電話で受けるまでは。
あまりの衝撃に、パニックになりながらも、紗友莉は一番知りたいことをすぐさま尋ねた。
「ケガは?! 無事なんだよね?!」
「紗友莉、落ち着いて。大丈夫だから」
興奮していた紗友莉は、普段のおしゃべりで早口な美香らしからぬこの落ち着いた発言を受け、咄嗟に我に返った。
心の中で、「美香がこんなに落ち着いてるってことは、きっと大丈夫」と自分に言い聞かせながら、紗友莉は美香の説明を待つ。
「腕やおでこなど数箇所を打撲しただけで、目だった外傷もなく、命に別状はないんだって」
美香の説明を受け、ホッと胸を撫で下ろす紗友莉。
紗友莉の「よかった~」という声を聞くと、美香はさらに言葉を続けた。
「うん、命には別状ないんだけど……」
またしても、普段の美香らしくもない、慎重な物言いだ。
紗友莉の気のせいか、声のトーンもいつもより暗く感じられた。
恐る恐る紗友莉が鸚鵡返しに尋ねる。
「命には別状ないんだけど……?」
嫌な予感がしてくる紗友莉は、やきもきしながら美香の返事を待った。
スマホを片手に通話しながら、紗友莉(さゆり)は大きな声をあげた。
7月半ばのよく晴れた夕方、紗友莉の何気ない平穏な日常は突如として打ち破られたのだ。
前日に梅雨明け宣言が出たということもあり、「明日の土曜は、友達と一緒に遠出してみようかな」という、ウキウキした気分で紗友莉は過ごしていたのだったが。
高校以来の大親友である、西植美香(にしうえ・みか)から、その衝撃的な一方を電話で受けるまでは。
あまりの衝撃に、パニックになりながらも、紗友莉は一番知りたいことをすぐさま尋ねた。
「ケガは?! 無事なんだよね?!」
「紗友莉、落ち着いて。大丈夫だから」
興奮していた紗友莉は、普段のおしゃべりで早口な美香らしからぬこの落ち着いた発言を受け、咄嗟に我に返った。
心の中で、「美香がこんなに落ち着いてるってことは、きっと大丈夫」と自分に言い聞かせながら、紗友莉は美香の説明を待つ。
「腕やおでこなど数箇所を打撲しただけで、目だった外傷もなく、命に別状はないんだって」
美香の説明を受け、ホッと胸を撫で下ろす紗友莉。
紗友莉の「よかった~」という声を聞くと、美香はさらに言葉を続けた。
「うん、命には別状ないんだけど……」
またしても、普段の美香らしくもない、慎重な物言いだ。
紗友莉の気のせいか、声のトーンもいつもより暗く感じられた。
恐る恐る紗友莉が鸚鵡返しに尋ねる。
「命には別状ないんだけど……?」
嫌な予感がしてくる紗友莉は、やきもきしながら美香の返事を待った。

