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第6章 両親の決断、紗友莉たちの苦悩

　そして、土曜日―――。
　映画館には、淳次と美香の姿があった。
　前に、元教え子の学と一緒に映画館でデートしていたことからも分かるとおり、美香はよくこの映画館をデートスポットとして活用している。
　活発でスポーツも大好きな美香ではあったが、映画もまた大好きなものの一つだったのだ。
　淳次は、それほど映画に興味を抱いていたわけではないが、別段嫌いというわけでもなかったので、「美香とデートするなら、場所はどこでもいいや」という彼らしい理由で同意したらしい。
　美香は、淳次に対して自分が抱いている燃えるような恋情に、もはや少しも戸惑っておらず、むしろ「運命の相手が見つかってよかった。こんなこと思うなんて、柄でもないけど」などと思っていた。　



　美香と淳次が座っている席からはかなり離れていたものの、同じ部屋に鳴澤と綾子もいた。
　電話で取り付けたデートをしていたわけだ。
　そして、予定時間どおりに、アクション映画の上映が始まった。