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記憶の彼方に眠る恋
第4章 再会

何だろうと気になって、紗友莉がよくよく見ると、それは紫色をしたお守りのようだ。
一瞬、内心「どこかで見たような……」と呟いた紗友莉だったが、すぐに思い出した。
それは、拓麻が小学生の頃からずっと、ランドセルや通学用バッグに取り付けていたお守りだったのだ。
拓麻の母は、お守りを指差して言った。
「あら、ちょっと拓麻。お守りを落としてるわよ、それ大事な手がかりなんでしょ。ああ、そうそう!」
拓麻の母はそこで言葉を切ると、今度は紗友莉のほうに向き直って尋ねた。
「紗友莉ちゃんは、そのお守りに見覚えはない? これ、キーホルダーみたいになってて、拓麻がいつもバッグに取り付けてたみたい。で、交通事故に遭って倒れたとき、このお守りをグッと右手で握ってたって、救急隊員の方から聞いて。見たところ、随分古いお守りみたいだし、もしかしたら私たち両親から拓麻に渡したものかも知れないんだけど、残念ながら私たちには覚えがないの」
「あ、そのお守りは……拓麻君がずっと大事にしてたものみたいで……。私の記憶が正しければ、確か小学生時代から既に持っていたはず……」
「え?! 知ってるの?!」
「ああ、いえ、えっと、その……由来とか、誰から貰ったものなのかとか、そういうことは全く知らなくて……」
一瞬、内心「どこかで見たような……」と呟いた紗友莉だったが、すぐに思い出した。
それは、拓麻が小学生の頃からずっと、ランドセルや通学用バッグに取り付けていたお守りだったのだ。
拓麻の母は、お守りを指差して言った。
「あら、ちょっと拓麻。お守りを落としてるわよ、それ大事な手がかりなんでしょ。ああ、そうそう!」
拓麻の母はそこで言葉を切ると、今度は紗友莉のほうに向き直って尋ねた。
「紗友莉ちゃんは、そのお守りに見覚えはない? これ、キーホルダーみたいになってて、拓麻がいつもバッグに取り付けてたみたい。で、交通事故に遭って倒れたとき、このお守りをグッと右手で握ってたって、救急隊員の方から聞いて。見たところ、随分古いお守りみたいだし、もしかしたら私たち両親から拓麻に渡したものかも知れないんだけど、残念ながら私たちには覚えがないの」
「あ、そのお守りは……拓麻君がずっと大事にしてたものみたいで……。私の記憶が正しければ、確か小学生時代から既に持っていたはず……」
「え?! 知ってるの?!」
「ああ、いえ、えっと、その……由来とか、誰から貰ったものなのかとか、そういうことは全く知らなくて……」

