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第4章 再会

　そんな考え事をしているうちに、いつしか乗車後１時間半以上が経過していたようだ。
　車窓から見える景色は、田園風景から徐々に都会らしいものへと変化してきている。
　それと共に、紗友莉の脳裏には普段の生活のこと、そして鳴澤部長のことが思い出されてきた。
　すると、紗友莉の中では、部長へのほのかな想いも必然的に甦ってくる。
　拓麻との再会、そして唐突なキスや告白などが、あまりに現実離れした出来事だったために、紗友莉は何だか「夢から覚めて現実へと戻ってきた」ような気すらしてきていた。
　そしてますます、「きっと拓麻ももっと時間が経って冷静さを取り戻したなら、私への想いも薄れてきちゃうはず。私は部長のことを想っているほうがずっと現実的」というような想いに駆られていく。
　一人で色々と考え続ける紗友莉を乗せ、電車は滞りなく走り続けていた。