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記憶の彼方に眠る恋
第4章 再会
翌朝―――。
拓麻の実家の門前に、一人の女性の姿があった。
水色のワンピースに、同色のつば広の帽子を上品に着こなしている、年のころ20代半ばと想われる女性だ。
目の覚めるような美人で、バッグやミュールに至るまで、出で立ちが非の打ち所がないほど洗練されている。
インターホン越しに、その女性は落ち着いた声色で言った。
「昨日、アポイントメントをお取りしました伊集院です」
この女性こそ、拓麻の婚約者である伊集院望未だった。
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