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記憶の彼方に眠る恋
第5章 活動開始と友人たち

高3の頃のある日。
自分だけ時間がかかってしまったので、先生もいない一人っきりの教室にて、必死で問題を解き続けることになった紗友莉。
そんなとき、部活帰りの拓麻が、忘れ物を取りに来て、そこで会話を交わしたのだった。
すると、紗友莉の話を聞き終わった拓麻が双眼を輝かせながら言う。
「本当にあったことなんだな?! ついに……やっと……たった一場面だけだけど記憶の断片が甦ってきたわけだ! 些細だけど大きな一歩だ!」
湧きあがる喜びを隠そうともせず、拓麻が続ける。
「そのときの俺、本当は別に大した忘れ物もないくせに、紗友莉に逢いたいがためだけに教室まで戻ってきたんじゃないか? 愛する紗友莉に逢って、あわよくば一緒に帰ろうとしたんじゃないか?」
「そんなこと……あり得ないと思うよ。当時の拓麻には、私のことをそんな風に想ってくれている素振りなんて、全くなかったもん」
「でも、その日、紗友莉が補習を受けること、俺は知ってたんだろ?」
「それはそうだけど……」
「やっぱり! 当時から、俺は紗友莉のことが好きだったんだ! 間違いない」
拓麻の勢いにたじたじとなりながらも、紗友莉は面と向かって否定することはしなかった。
自分だけ時間がかかってしまったので、先生もいない一人っきりの教室にて、必死で問題を解き続けることになった紗友莉。
そんなとき、部活帰りの拓麻が、忘れ物を取りに来て、そこで会話を交わしたのだった。
すると、紗友莉の話を聞き終わった拓麻が双眼を輝かせながら言う。
「本当にあったことなんだな?! ついに……やっと……たった一場面だけだけど記憶の断片が甦ってきたわけだ! 些細だけど大きな一歩だ!」
湧きあがる喜びを隠そうともせず、拓麻が続ける。
「そのときの俺、本当は別に大した忘れ物もないくせに、紗友莉に逢いたいがためだけに教室まで戻ってきたんじゃないか? 愛する紗友莉に逢って、あわよくば一緒に帰ろうとしたんじゃないか?」
「そんなこと……あり得ないと思うよ。当時の拓麻には、私のことをそんな風に想ってくれている素振りなんて、全くなかったもん」
「でも、その日、紗友莉が補習を受けること、俺は知ってたんだろ?」
「それはそうだけど……」
「やっぱり! 当時から、俺は紗友莉のことが好きだったんだ! 間違いない」
拓麻の勢いにたじたじとなりながらも、紗友莉は面と向かって否定することはしなかった。

