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私の結婚式前夜
第3章 ラブホ
 シャカシャカとボディソープを泡立てる。スポンジでお兄ちゃんの背中を洗ってゆく。

「お兄ちゃんの背中、広い……」

「えっ、そうか?」

 お兄ちゃんの腕の隙間からお腹に当たりそうなくらい大きくなったお兄ちゃんが見える。

「はい、前も……ね?」

「前は、俺が自分で……」

 私はお兄ちゃんに身体をくっつけて、お兄ちゃんのお腹側を洗い始めた。首、胸、お腹……。お兄ちゃんを泡まみれにしたあと、私の手のひらがそれに伸びる。

「それ以上は……だめだよ」

 固くて大きいお兄ちゃんの……。私はそれを手のひらで包む。

「おい……」と、お兄ちゃんが慌てたように言うと、ピクンと身体が跳ねた。

「ああ……、夏芽、なつめっ……くぅっ……」

 お兄ちゃんが腰を引いた。女の子のようなカワイイ声のあとに……。

「えっ、お兄ちゃん……」

 お兄ちゃんの身体がビクビクと跳ねたあと、ビャッっとお兄ちゃんの向こうの方で音がした。お兄ちゃんの身体が跳ねてる。ウッウッと唸りながら……。手の甲が温かくなる。

 湯気の中に漂白剤のような匂いが広がったような気がした。
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