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私の結婚式前夜
第5章 ベッドで
「夏芽……」
今度はお兄ちゃんが私に唇を重ねる。温かい唇に覆われる。
「あん……」
お兄ちゃんの口の中で舌を絡める。二人の荒い呼吸とニチョニチョという音が部屋に広がる。遠くで公園で食べた甘い焼きいもの匂いと一緒に……。
「あ、焼きいもの匂いが……」とお兄ちゃん……。
「えっ……ウソ……」
私は自分の口に手のひらをかざして、ハアーと自分の息を確かめている。少し冷たいようだけど爽やかなミントの匂い……。
「引っ掛った。歯磨きの匂いだよ。でもさ……」と、お兄ちゃんの唇が重なった。
「何……?」
「オナラ、すんなよ……な?」
「お、オナラ!? 私、オナラなんてしません!」
毛布の中に潜り込んでクスクスと笑った。昔、こうやって布団の中を基地にしたよね?