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大好きだから...
第9章 お前を守るよ

わんわん声を上げて泣いている朱里の
隣に座って何にも言わず頭を撫でていた。
1時間以上経っていたと思う。
勢いよくドアが開けられた。
『真純!』
『母さん!!!!』
お父さんとお兄さんがやってきた。
「お父さん...お兄ちゃん...」
『朱里。遅くなって悪かったね。』
お父さんにそっと抱きしめてもらっていた。
そして後から声をかけられる。
『正人くん。ありがとう。
母さんで間違いなかったんだね…』
お兄さんだ。
うっすら目には涙が溜まっている。
「お兄さん。おかえりなさい。
間違いじゃなかったんです。
免許証が財布にあってそこに朱里の名刺も…」
『そっか...』
『結城くん。ありがとう。
朱里お父さん手続きしてくるから
結城くん達と家に帰りなさい。
お母さんも連れて帰るから。』
「いえ、俺は何も...
遺体の損傷が激しいのでもし確認されるなら
覚悟してほしいとのことです。
車を運転してた奴は薬物乱用していたみたいで
中毒症状がでていたらしいです。」
『そうか。真純...っ』
単身で海外行ってて帰ってくる日に
大事な家族が亡くなったなんて
ひどい話だよな。
ありえねぇよ...

