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大好きだから...
第9章 お前を守るよ

誘導してもらって中に入ると
何にもない部屋の真ん中にベッドがあり
白い布で覆われていた。
医師が白い布をのけてくれた。
マジかよ。
これホントに朱里よ母親か?
顔は傷だらけだし
色んなところに傷やアザがある。
『ここに搬送されてきた時には
既に心肺停止状態でした。
最善を尽くしましたが...』
「お母さん...」
「朱里大丈夫か?」
「お母さんだ…っ。
この左のこめかみにある黒子…
お父さんとの結婚指輪
...間違いなくお母さんッ…だよ…
お母さん...うっ…っ…」
『須藤さんは横断歩道を青信号で横断中に
信号無視の車にかなりのスピードで
轢かれたみたいで。
車の運転手はすぐに逮捕しましたが
薬物乱用していたみたいで錯乱状態でした。』
は?薬物中毒?
そんなやつの運転で朱里の母親は
死んじゃったわけ?
ありえねぇだろ。
『これからまた取り調べでいろいろわかると
思いますが今日はこれで失礼します。』
橋本さんは帰っていって残されたのは
医師と朱里と俺
このままお父さん来るまで待つらしい。
朱里はお母さんの横で泣いていて
声をあげて泣いているから
しばらくそっとしておこう。

