この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
くすくす姫と百人の婚約者(フィアンセ)
第16章 弟王子と義妹姫
そんなレンブ姫を見て、王子はあまりの愛らしさに打ち抜かれ、一瞬ふらつきました。
私の許婚は、世界一だ・・・!と、王子は心の中で言ったつもりでしょうが、独り言として周りに全部聞こえています。
その独り言に、レンブ姫は嬉しそうに目を潤ませて、微笑みました。
そんな二人を見て、スグリ姫とバンシルは、
(クッソ可愛いけどバージンロードを歩く資格とっくに失ったり失わせたりしてる癖に初々しい振りヤメレ)
と、心の中で毒吐きました。
「・・・レンブ。部屋で・・・お茶でも、飲もうか?」
「ハンダマ様、御用はもうお済みですの?」
「済んだ済んだ。姉様宛の果たし状は届けたからね」
王子と許婚は、女二人の視線を完全に無視して、二人だけの世界を作り上げています。
挨拶もそこそこに腕を絡めると、二人はふわふわと上の空で、スグリ姫の部屋を去っていきました。
「けっ。やだやだ、何の茶飲むんだか」
果たし状って何だ、道場破りですらないのか、と、スグリ姫が釣り書きを指で摘み上げました。
「良いではないですか。これで王室も安泰ですわよ、姫が独り身を貫かれても」
小姑の嫉妬は頂けませんよと言いながら、バンシルは華奢な手で流れるようにお茶道具を操り、新しいお茶を淹れました。
「独り身を貫くつもりなんて無いわよ!ってか、誰か私を貫こうって男はいないんかーい!」
「候補の方の釣書でしたら、今摘み上げていらっしゃるじゃないですか」
バンシルにそう言われて、スグリ姫は釣り書きにジロリと嫌そうに目をやりました。
私の許婚は、世界一だ・・・!と、王子は心の中で言ったつもりでしょうが、独り言として周りに全部聞こえています。
その独り言に、レンブ姫は嬉しそうに目を潤ませて、微笑みました。
そんな二人を見て、スグリ姫とバンシルは、
(クッソ可愛いけどバージンロードを歩く資格とっくに失ったり失わせたりしてる癖に初々しい振りヤメレ)
と、心の中で毒吐きました。
「・・・レンブ。部屋で・・・お茶でも、飲もうか?」
「ハンダマ様、御用はもうお済みですの?」
「済んだ済んだ。姉様宛の果たし状は届けたからね」
王子と許婚は、女二人の視線を完全に無視して、二人だけの世界を作り上げています。
挨拶もそこそこに腕を絡めると、二人はふわふわと上の空で、スグリ姫の部屋を去っていきました。
「けっ。やだやだ、何の茶飲むんだか」
果たし状って何だ、道場破りですらないのか、と、スグリ姫が釣り書きを指で摘み上げました。
「良いではないですか。これで王室も安泰ですわよ、姫が独り身を貫かれても」
小姑の嫉妬は頂けませんよと言いながら、バンシルは華奢な手で流れるようにお茶道具を操り、新しいお茶を淹れました。
「独り身を貫くつもりなんて無いわよ!ってか、誰か私を貫こうって男はいないんかーい!」
「候補の方の釣書でしたら、今摘み上げていらっしゃるじゃないですか」
バンシルにそう言われて、スグリ姫は釣り書きにジロリと嫌そうに目をやりました。