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第2章 支度 （この前、人を拾いました）

「欲求不満で死ぬぅぅぅう！！！！僕はりなちゃんとセックスがしたぁああいっ！！」



突然ターザンのように叫びだレイにギョッとした。


丁度犬の散歩してたお隣さんが足を止めて目を見開いているのを見て、私は慌ててこんばんはぁ、と白々しく挨拶する。



相川さん、あなたは今幻聴がしたのよ…


そう目で訴えながら。



「ちょっと！本当にいい加減にして！」



私にビンタされて赤くなった頬をレイは涙目で擦る。


いきなり子犬のようになったレイにドキンと心臓がなった。



「ちかちゃぁ～ん…」



そして、レイは私の首に腕を通しながら抱き寄せてじっと見つめてきた。



「あいちゃんは、最近あいつらに構いすぎだ！！！確かに僕の遺伝子が入っているからかわいいのも分かる！！けど、もう少しその遺伝子の源である僕に構うべきだ！！」


「……何、子どもにやきもち妬いてるの？」



呆れながらそう尋ねると、レイはまた、うぅううと唸りながら私をギュッと抱き締めた。



「寂しくて僕が死んでもいいのか！！僕が死んだら、まみちゃんも死んじゃうだろ！つまり僕に構わないということは自殺行為だ！！」



…………言っている意味が分からないのって、私だけじゃないよね？


本当、未だにこの人が一番手がかかる。