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第9章 唇 章01第
「ちょっとっ……」
よろけた俺を、桜がそのか弱い体で支えようとしている。
そんな状況が情けなくて、俺はハァ…と再び息を吐いた。
「バカだな俺っ……混乱しているお前にあんなことして…」
弁解したって全部今更なのは分かっている。
「お前をめちゃくちゃにしてる和明と、してること変わんねぇ…」
自分の欲のために…俺は…。
なんかあったら俺のとこに来いとか…そんな偽善者みたいな事を言ったくせに、あんな事して…
何なら和明より、タチ悪りぃじゃねぇかよっ……。
「店長、もしかして熱が───」
「桜………」
遠退く意識の中で、俺は桜の名前を呼んだ。
桜が何かを言ってるが、聞こえなかった。
最低な事をした……
時を戻したい。
でもそれは出来ない。
「許してくれ………」
何とか最後の力を振り絞って俺はそういうと、そのまま意識を失った。