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第10章 体正 章11第



クスクスと、笑い声が聞こえた。





「身体だけは頑丈みたいな風にしてるくせに、意外と繊細なのね」





この声は……幸だ。





段々と意識がはっきりとしていく。





ベッドのシーツも、壁も何もかも白い。







ここは……病院だ。






そう把握した時、






「それに、バカは風邪ひかないって、言うのに」






と幸の声が再び聞こえて、俺はイラっとしながら体を起こした。





その側で聞こえる控えめな笑い声…──────





「てっ、店長っ……」




「…………聞いてねぇと思って…好き勝手言いやがって…」





なんとなく


気を紛らわすように幸に向かって言うと、聞いてたの?と幸がわざとらしく答えた。



何とか、ふらつきながらも体を懸命に起こしていると、突然桜が視界に入ってきて俺に駆け寄ってきた。




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