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bloʇbnilᙠ
第10章 体正 章11第
「そりゃあそんな旦那には愛想尽かすわな。当たり前だよ。俺が逆の立場だったら許せねぇ」
やりたい事を言っても、応援なんてしてくれる訳もなく。
長い間付き合っていたのに、結局お互い本心をさらけ出せてなかった事に結婚した後に気付いてしまった。
そんな自分が最低だと、分かっていたから。
だから、あいつが他に男を作ってることに気付いても、見て見ぬ振りをして……
俺は言われるがまま離婚に応じた。
「…ふーん……」
「お前も…大人になったら分かるよ」
「大人ですよもう」
反抗するように睨んできた桜を見て、軽く息をつく。
分かってる。
桜を子どもだとは思ってない。
てか思えねぇからずっと困ってんだ。
結婚や離婚を含め、それなりに色々経験してきたつもりだったが……
今、桜に抱いてるどうしようもない想いは経験がない。
だから、こんないい年だってのに、どう対処したら良いかも分からずに情けない姿を晒してしまっている。
「お前が聞きたかったことに答えたか分かんねぇけど」
「……ありがとうございます」
素直に返事をした桜を横目で見た。
こんなどうしようもない過去を聞いても、何ら顔色を変えない桜に少し安心して俺は思わず微笑んだあと、そのまま体を起こした。
「ちょっと…っ、だから無理に起きない方が……」
「大丈夫だって」