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第11章 風 章21第
「このままでいいのかって…」
和明は、そう言いながら、桜に言葉を続ける。
「俺、動揺してて…。まさか薫が目覚めると思わなかったしっ…」
薫…
それは桜の姉貴。
黙ったままの桜は、首元に手を持っていく。
そして、少し体を震わせたあと、再び和明の事を見つめた。
聞き耳を立てるつもりはない。
むしろ聞いてたくもねぇし、見てたくもねぇ。
でも、桜が気になって…
どうしてもその場から離れることが出来ない。
何故こんな場面に出くわしてしまったのか……
もしかしたら、桜の姉貴が入院してる病院は───
「でも……心配する必要なくてよかった……」
何故か安心したように息をついた和明は、微笑みながら、桜の背後にいる俺に視線を向けた。
は…? なんでこいつ俺の事見てんだ。
そんなことを思った矢先
「彼氏、いるなら言えよ」
和明は、そう言って桜に微笑んだ。