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第13章 葉言花 章51第
少しだけ太陽が傾く。
俺は花壇の前に立って、花たちを見つめた。
植物は裏切らない。
ちゃんと決められたように手入れをして、ちゃんと毎日気にかけてやれば、すくすくと育ってそして蕾を付ける。
チラと、リナリアに視線を移した。
あの雨の日泣いているようだったリナリアも、しっかりと成長して、そして小さな蕾をたくさん連ならせている。
何となく、皮肉だ……と思った。
「達也」
お前を呼ばれて、俺は振り返った。
腰までの髪。
ニコリと微笑んだ幸は、そのまま俺の脇を通って店に入ろうとしている。
その後に続いて、俺は店の中に入った。