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第13章 葉言花 章51第
花壇の前に座り込む桜。
声を掛けようとして、隣に何故か兄貴がいることに気付いて、固まった。
なんでこんな時に兄貴がいんだよっ……
やっと決心がついたのを身内に阻まれる。
声も掛けられずにいると、二人は俺に気付かずにそのまま会話を続けた。
「この花はね“ リナリア" っていうんだよ」
「リナリア……」
「そう」
その会話に目を見開いた。
「この花の花言葉はね──」
兄貴は、そう言葉を続ける。
桜は、リナリアの蕾に触れながら、言葉を待っていた。
いや…まて……っ
言……うなっ………
でも、俺の心の声は兄貴には届かない。
「“この恋に気付いて”」───────
兄貴の言葉を聞いて、桜が
驚いたように、え……?と言葉を返していた。