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第13章 葉言花 章51第
純粋に…桜の幸せを願っているなら、樹と桜の姿を見て、何故こんなにも切なさが身体を駆けるのだろうか。
笑うようになってくれればと、ずっとそう思ってきたはずだった───…
なのに
他の男が桜を笑顔にさせているのを見るだけでなく想像するだけで、腹が立って気が狂いそうになる。
こんな風になってしまうというのに、
俺は、ただ傷付きたくないという理由で、オーナーと従業員という線を無理矢理引いて、桜を突っぱねているんだろうか……?
あぁ……もう何も分かんねぇっ……
「もういいから、早く言ってきなさい」
「っ……たくっ…」
何も整理がつかないまま、俺はカウンターを出た。
どうにでもなれだ。
幸にそそのかされてるのは否めねぇし、こいつの言ってることがホントか未だに信じらんねぇけど…
こんな訳が分かんねぇまま毎日過ごすのはもう懲り懲りだ。
砕けるなら砕けるで、もう前に進む。
半ば投げやりで外に行こうとすると、幸が、あ…と言って引き止めた。
「そうそう。まぁ私のせいだけど、きっと桜ちゃんおぞましい勘違いしてるから」
「は?」
「誤解、解いておいて」
ったく、最後まで言っている事意味分かんねぇなっ……
イライラしながら、俺は幸に返事もせずに扉を開けた。