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第15章 いならいはし隠目 章71第

「やべっ……」



ハッとしてヤカンの火を止める。



好きって言われてないことなんてどうでも良くなってた。




代わりに、嫉妬されてるってことに舞い上がりすぎて、心臓がバカみてぇに高鳴っている。






それを誤魔化すようにヤカンを掴んで、ポットにお湯を流し込む。




つーか、

いや…まぁ…妬かれるのは嬉しいが、



さっき惚れてるだの、好きだの、ガラでもねぇ恥ずかしい事を散々俺に言わせたくせに……



何を今さら不安がってんだこいつは…





「……お前のことは、お前に相談できねぇだろ」




なるべく素っ気なくそういうと、桜は、「私…?」と言いながら首を傾げた。




「あぁ」




お前以外に誰がいんだよっ……




呆れながらテーブルの上にポットを置くと、桜がそれをジッと見たあとまた浮かない表情を見せた。





「でも…っ、さっきキスしようとしてましたよねっ…」





「ちげぇよ!!!」




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