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第15章 いならいはし隠目 章71第
思わず振り返って、そのホッとした顔を見る。
桜は、未だ俺のシャツを掴んだまま、テーブルの椅子に腰掛けた。
その姿があまりに愛らしくて
トクン…と胸が跳ねた。
「……何を今さら不安がってんだよ」
「だって、幸さんと店長、いつも楽しそうに話してたから」
「はぁ?」
いやいや
どこをどう見たら楽しそうに見えるんだよ。
「ちっとも楽しくなんかねぇ。こっちは散々揶揄われてむしろ不愉快だったんだ」
幸のニマニマした顔を思い出しながら、俺はマグカップをテーブルに置いた。
「何を相談してたんですか…?」
「もうその話は終わりだ」
「えー気になる」
「……もういいだろうがっ」
そう言い返して、俺は溜め息をついた。