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bloʇbnilᙠ
第16章 bloʇbnilᙠ 章81第
「─────…」
真っ赤な顔に、上目遣い。
………ぜってぇ狙ってる…よな…
真意は定かじゃない。
でもそんなのは関係がない。
狙っているにしろそうじゃねぇにしろ、俺はこの桜の顔に弱い。
しかも……かなり。
「わっ……」
衝動的に桜の肩を掴んで引き寄せる。
そういう年でもキャラでもないのは百も承知だが、どうしても桜といると止まらない。
そしてそのまま驚いている桜に顔を近付けると、その唇に音を立てて口付けた。
「……おし、始めるぞ」
さらに顔を紅くしてる桜にトクンと心臓が鳴る。
そして、口元が綻ぶのを誤摩化すようにしてタバコを再び咥えると、何もなかった風を装って、俺は店に入った。
───────かわいすぎて心臓保たない日々が続きそう!
さっきの幸の言葉が蘇る。
「っ………」
また、見透かされた気持ちになって、一人で小さく項垂れた。
つーか……あの不意にやりやがる上目遣いどうにかなんねぇかなっ…
冗談抜きでアレされると今すぐ抱きたくなる……
でも、
さすがにそう思うたびに毎回臨時休業してたら……
「店が…潰れる……」
項垂れたまま小さく独り言を言った後、はぁ……と緩くため息をついた。
結局、俺は桜のペースに飲まれている。
でも……まぁいい。
桜が幸せそうに笑っているから……