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第19章 満不のへ人恋 章22第
桜と付き合い始めてから、俺は悩み続けた日々とようやくおさらばし、平穏な毎日を過ごしていた。
ハズ…だった───────
「いや……だ」
「たーーべーーろ」
「………イヤ……」
「たーーーべーーーろ!!」
「……………嫌!!」
そう叫んだ桜は、自分の皿に乗っているブロッコリーを俺の方へ移している。
「お前なぁ……」
「……今さら食べられるようになったりしないし……。諦めて下さい」
何なんだその言い方は。
もちろんワガママなのは分かっていた。
末っ子だから、可愛い可愛いと言われて育てられたに決まってる。
「ごちそうさまでした」
そう言って逃げるようにテレビの前に行った桜の背中を眺めて、はぁ…とため息をつく。
「ったく……」
甘やかされて育ったとはいえ、偏食過ぎんだろっ……。
しかも食べられないものはことごとく栄養価の高い野菜ばかり。
教育し直す必要がある。そう思って、作る飯に毎回苦手なものを一点忍ばせているが……。まあ、冒頭の通り桜は一口も食べない。
ったく…せっかくこっちが健康に気遣って料理してやってんのに……。