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第2章 面接
差し出された紙を、テーブルの上で滑らせて、自分の方に引き寄せる。
同時に灰が落ちそうになって、咥えていたタバコを灰皿の上に乗せた。
「で? どれくらいシフト入れそう…?」
「…どれくらいでも」
元気のない返事。
活力というものがない。
ふと、持っていた履歴書の生年月日を見て驚愕した。
自分とは10年近く違う。
だとしたら、目の前にいる女は今まだ20代前半。
自分が20代前半だった頃のことを思い出そうとしたけれど、記憶が曖昧だった。
サラリーマンに飽きてきた頃だったか、勢いで結婚した頃だったか…多分そんな頃だろうが…
少なくともこんな活力のねぇ若者じゃなかったな。
そんなことを思いながら、目の前の彼女を見た。