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bloʇbnilᙠ
第2章 面接
「どれくらいでも…ねぇ」
「…………」
さっきから、反応が薄い、というかないに等しい。
髪は短めで、少し茶色い。
切りそろえられた前髪。
そこから覗く瞳には憂いを帯びていて、明らかに『ワケあり』感が漂う。
そんな女だ。
「正直、人が入ってくれんのはこっちとしては嬉しいけどよ」
「……じゃあ、入ります」
「いや……でも、別に楽な仕事ってわけじゃねぇし……」
「大丈夫です」
意外にも引き下がらないことに動揺した。
何でもいいから仕事がしたいって感じだ。
だとしたら、どっかの企業にでも就職すればいいじゃねえか?とか、そんな保護者みたいな気持ちが湧いた。
「……志望動機は?」
今更な質問に、目の前の女は伏し目がちになった。
「…店名が……」
「店名?」
「今の自分に……あってるかなって…」
なんじゃそら。
動機としちゃ弱い気がしたし、訳が分からない。
でも詮索する気は起きなかった。
「……サイヨーで」
「ありがとうございます…」
辞められたら、辞められたでまたその時考えればいい。
そんな簡単な気持ちで、俺はその少しめんどくさそうな女を雇う事にした。