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第3章 し隠目 章1第



何も言えないまま、俺はその鉢を掴んだ。



「お前は独身なんだから」



「………」



「別に恋愛くらい普通にすればいい」



思わず親父の顔を見たら、さっきまでぶっきらぼうだったくせに少しだけ口元を緩ませていた。




「ただ…後悔しないようにしろよ」



「……は?」



「花言葉は確かに便利だけどな。結局は自分で伝えることが大事だ」



「………何の話だよ」




しらばっくれてる俺を見て、親父は、フッと笑う。



なんか居心地わりぃ…と思いながらも、俺は、そのリナリアの入った鉢を受け取った。




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