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第3章 し隠目 章1第



適当に店内を見ていたら、ある鉢が目に入って、それを掴んだ。




「買ってくのか」



「いや……」




その行動を見られていたことに驚いて、慌てて手を離した。



細い葉。まだ蕾は付けてない。



これ買ったらさすがにヤバいだろという気持ちが湧いたが、どうしてもその植物が気になる。




「好きな子がいるのか」



「………っ…」




笑うわけでもなく、普通のテンションで親父にそう言われて、動揺が隠せない。


情けねぇ…。



返す言葉が見つからずにいると、親父はその鉢を掴んで、うぃっと俺に押し付けた。




「なんだよ」



「もってけ」



「………」




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