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第21章 現実
肩で息をして、しばらくしてから、桜の横に仰向けになる。
「桜……」
名前を呼びながら、チラと横目で桜の様子を見ると今にも寝そうなもたもたとした瞬きをしながら、腑抜けた返事をしていた。
「もう…分かっただろ…。不安になる必要なんか……ねぇよ」
「………わたしのこと……だいすきぃ…?」
眠たいのか甘え声でそんなことを聞く桜に俺は向き直る。
まだそんな分かりきったことを聞くのか。
「あぁ……好きだよ」
「……だい…すき……じゃなくて……?」
「…っ……大…好きだよ」
何でこんな事言わされてんだ……。
こういう言葉はガキくさいと思うからあまり言わないし、小っ恥ずかしい。
それでも、桜はそんな俺の言葉を聞くと、目を瞑ったまま口角を上げて、へへへと笑っていた。
「……うれ…しぃ……。わたしも…だあぁ…いすきぃ…」
「〜〜〜〜〜…っ」
もう寝ようとしてる桜に、腑抜けにされながら、俺は堪らず啄むように何度かキスを落とす。
「今後……俺の前以外でぜってぇ飲みすぎるなよ」
こんな姿の桜、他のやつになんか見せたくねぇ。
できれば一生禁酒してほしいくらいだ。
だが、桜は俺の言葉に返事はせず幸せそうにスヤスヤ眠っていた。
「はぁ………」
呑気なやつだ。ったく。
そんなことを思いながら、俺は桜に服を着せ布団を被せると桜を抱きしめながら、自分も眠りについた。