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第22章 主い飼 章42第
次の日の昼前……
テーブルの椅子に腰掛けた俺は、さっき買ったタバコの箱を掴む。
そして火をつけた俺は、同じくさっき買ったしじみを鍋に入れてコンロにかけた。
ベッドを見れば、未だに眠る桜がいる。
あんだけ酔ってたんだ。
起きたら二日酔いなんだろうと思い、俺は甲斐甲斐しくみそ汁を作ってやっているわけだ。
しかも、ベッドの側のローテーブルには、水を入れたコップ、もちろん二日酔いに効きそうな薬まで用意してある。
俺はいい嫁になるかもしれない。
そんな馬鹿げたことを考えながら、味噌を溶いていると、桜がモゾモゾとベッドで動き出した。
案の定、頭を抱えて「いっ…た……」と呟きながら、身を起こしている。
「とりあえずその水飲んどけ」
「わっ…」
声を掛けると、俺の存在にびっくりしたのか、小さく声を上げている。
さらには、そんな自分の声さえも頭に響くのか、桜辛そうに再び頭を抱えていた。
コンロの火を止めて、俺は桜の方は向き直る。
「気分は」
俺の質問に、桜は答えずに呆然としている。
まぁ聞くまでもねぇ…か。
「最悪ってとこか」
「ん……」
それだけ言った桜は、大人しく俺の用意した水を飲み干した。
「起き上がれそうか」
「………まぁ」
「そうか」
なら、早く胃に何か入れさせた方がいい。
早速用意した味噌汁をお椀に入れて、俺はダイニングテーブルに置く。
そして、椅子に座ると、味噌汁を指さして桜を見た。
「これ、飲め」
なにそれ?って顔に、フッと笑う。
「二日酔いには、しじみ汁って決まってんだよ」
「………はい」
相当具合が悪いのか、返事をした桜はゆっくりとこっちに向かって、お椀の置かれた席に座った。