この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
bloʇbnilᙠ
第22章 主い飼 章42第



お椀を掴んでしばらくじっとしていた桜は、そのままゆっくりと味噌汁を啜って微睡んでいる。


昨日のことについて、一切何も言ってこない。


どちらが言い出すか、って感じだろうか。


そんな状況が気持ち悪くて俺は意を決して口を開いた。



「昨日は、悪かった」



突然の謝罪に桜は、え?って顔をして味噌汁の入ったお椀を置いた。



照れ臭いというのか、バツが悪いというのか、とにかく俺は目線を桜から外して、誤魔化すように灰皿にタバコの灰を落とす。




「………葵を入れる前にお前に一言言うべきだったな」



黙りこくっている桜が気になって、チラと様子を見ると、何とも言えない表情をしている。



そして、最後に口をぎゅっと引き結んで軽く首を傾げると、ゆっくりと俺の方を見てきた。



「…あの……私、何時にここに来ました…?」




…………ま、じ、か………


あまりの衝撃に言葉を失っていると、桜はそんな俺の様子を見て不安そうに目をキョロキョロさせた。




「お前……どこまで記憶あるんだ」



俺の質問に今度は桜が気まずそうに視線を外す。



「幸さんのところに行って……お酒飲んで、それで…」



流石にそこまでは記憶がある…か。


いや、どちらかというと問題はそこから……なんだが。



「どうやって帰ったかとか……は分かんない…です」



……なるほど…。



安心した方がいいのか、ガッカリした方がいいのか、よく分からない状況に俺は小さくため息をつく。


いや、予想はしていたんだが……


まさかそんな丸っ切り記憶が抜け落ちてるとは…。



「………なん、デス…カ」



不安だからか、桜も変にカタコトみたいな発音になっている。


なんとなく気が抜けた俺は椅子の背もたれに寄っかかって天井にタバコの煙を吐いた。

/453ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ