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第23章 さ尊 章52第
開店後。
チラチラと葵の様子を伺っているような桜を、俺もチラチラと伺う。
何か話したいのか、タイミングを見計らっている。
今日は平日で昨日みたいに混むこともないからか、葵も大分落ち着いた動きをしている。
そして、桜はついにオーダーの合間を見て、葵に近付いて行った。
昨日みたいな不機嫌な様子はない。
変な威圧もしないのは分かっているが、何となく2人のことが気になって姿を見つめる。でも会話までは聞こえてこず、もどかしく感じた。
桜が俯いて、何を呟く合間に葵は目を輝かせてペラペラと話している。
昨日あんな態度の桜と対峙した後だし、心配していたが、葵に怯えているような様子はない。
ドジで緊張しいだが、根性がないわけでないみたいだ。
むしろ桜のことを気に入っている、とも見える。
話がうまく行ったのか、葵は笑顔で桜は体の力をフッと抜いたのがわかった。
もうあんま…心配する必要はねぇか…?
「桜、葵!」
様子見がてら2人を呼ぶと、葵が元気よく返事し、桜と一緒に近寄ってきた。